- 子どもが朝起きられない。その為学校を休みがち・・・
- 朝起きるとめまい・頭痛・吐き気など症状を訴える・・・
- 朝は動けないが昼になると元気になってくる・・・
- 『起立性調節障害』と診断された・・・
先日患者さんからのお話で、西宮市内のある中学校では300人超の1学年に不登校の生徒が10人以上いてると・・・
そのほとんどが朝起きられない・起立性調節障害・うつ症状との事でした。
『自律神経失調症専門整体』中央カイロプラクティック院西宮の作本です。
当院にも起立性調節障害で来院されてる患者さんはちょくちょくいらっしゃいますが、実際にお話を聞いて想像以上に多い印象です。
今回は『起立性調節障害』について、どんな症状が出るのか?原因は?何か対策は??を説明していきたいと思います。
もくじ
朝起きられないのは怠けじゃない!10%の中学生が悩む『起立性調節障害』の症状とは?

具体的な症状としては、朝起きられない事です。
一口に朝起きられないと言っても、ダルさ・しんどさから体を起こす事も出来ない子もいれば、起き上がるとめまい・立ちくらみ・頭痛・吐き気がする子もいてます。
その他にも動悸・息切れ・食欲不振・腹痛を訴える事もありますが、起立性調節障害の特徴としては、午前中に体調が悪く、午後になると回復するという事です。
その為『怠けてるだけ・・・』『学校をサボりたいだけ・・・』と思われる事も多いようですが、起立性調節障害は自律神経失調症の一種です!
日本の小学生の約5%、中学生の約10%にみられ、特に思春期の女子に多いとされています。(が、当院では男の子も女の子と変わらないぐらい来院されています。)
また不登校になっている生徒の3~4割は起立性調節障害になっているとのデータもあります。(大阪医科大学調べ)
具体的な数字としては、全国の中学生・高校生の70万人は起立性調節障害と言われています。
朝起きられない、起立性調節障害と自律神経失調症との関係

自律神経には、体を活動させる『交感神経』と休息させる『副交感神経』とがあります。
朝、日が昇ると交感神経が働く為、体は活動的になり、夜は副交感神経が働く事で体を休ませます。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまう事で起こる様々な症状の事を言います。
起立性調節障害は、朝に交感神経が働く事ができず、お昼頃になってようやく交感神経が働き出すので、午後から起きる事が出来るようになります。
では、なぜ自律神経失調症になり交感神経が働かないと起き上がる事が出来ないのでしょうか?
なぜ『交感神経』が働かないと起立性調節障害になってしまうのか?
寝た状態から身体を起こすと、重力の影響を受けて、血液は足の方に行ってしまい、脳に血液が回らなくなってしまいます。
その時に下半身の血管を収縮させたり、心臓から送り出す血液の量を増やしたりして、脳を始めとして身体全体に血液がまわるようにコントロールします。
これが、自律神経の交感神経による「血圧の調節の仕組み」です。
しかし、起立性調節障害になると、交感神経が働けないわけですから、血圧の調整が上手く出来ません。
その為、脳の血液が不足してしまい、起き上がれなかったり、立ちくらみがします。
しかし、普通『自律神経失調症』と言えば、交感神経の働きが強くなってしまい、副交感神経の働きが弱くなる事で症状が起こります。
交感神経の働きが強くなるせいで、呼吸が浅く早くなってしまい息苦しくなったり、心臓が強く早く動く事で動悸になったり・・・
(息苦しい呼吸に関しての記事はコチラ→【自律神経失調症】呼吸しづらい、息苦しい・・ストレス以外で考えられる原因と改善方法
動悸に関しての記事はコチラ→自律神経失調症から来る動悸・脈の乱れに対すると原因と対処法)
では、なぜ起立性調節障害の子は『交感神経』の働きが悪くなってしまうのでしょうか?
それは思春期にこの症状が多い理由と関わっています。
中学生に起立性調節障害が多い2つの理由

①思春期は自律神経のバランスが変わる!
人間には交感神経優位で増える『顆粒球』という免疫細胞と副交感神経優位で増える『リンパ球』という免疫細胞があります。
1歳~4歳までは体を成長させる為に、圧倒的に副交感神経支配のリンパ球が多くなります。
4歳~15歳までは交感神経支配の顆粒球と副交感神経支配のリンパ球の割合が50%:50%に近くなり、
15歳~20歳ぐらいで逆転して、交感神経支配の顆粒球が60%副交感神経支配のリンパ球が35%ぐらいになります。
大人になるには、ある程度交感神経が働かなくてはありません。
ここでは思春期には自律神経のバランスが変わるという事実をご理解下さい。
②体をしっかりと休められていない!
交感神経は体を活動させる時に働く神経ですので、交感神経を働かせるためには『エネルギー』が必要になります。
人間はどうやってエネルギーを作っているのか?というと、
- よく寝る!(睡眠)
- よく食べる!(バランスの良い食事・栄養)
- しっかりと酸素を取り入れる(呼吸)
この3つです。
中学生の時に、夜更かしをしたり、お菓子ばかり食べたり、偏食をしたり、スマホなどから姿勢が悪くなって呼吸が浅くなったりすると、交感神経優位の大人の体に切り替われなくなります。
つまり、エネルギーが作れない→交感神経が働けない→朝起きられない『起立性調節障害』へと繋がります。
しかし、起立性調節障害の問題はこれだけでは終わりません!
交感神経が働けないぐらいエネルギーが不足してると、体を動かすエネルギーもない!という事です。
なので、ちょっと動いただけですぐに疲れたり、しんどくなったりします。
「疲労感」は感じても、全然体を動かせないので、体は「疲労」しません。
すると、夜になってもなかなか眠たくなりません。
あなたも休みの日ボーっと過ごした時はなかなか寝付けない経験がありませんか?
反対に学生の時、プールの後の授業は眠たくなりませんでしたか?
それと同じで寝る為には、『疲れる』事が必要なんです。
起立性調節障害の子は疲れる事も出来ないので、徐々に夜眠る事が出来なくなってきます。
意外かもしれませんが、起立性調節障害で朝起きられないと言っているのに、夜なかなか寝付けないという『不眠』の症状も訴える子は多くいます。
実はここまで来ると、交感神経も副交感神経も働けなくなっている状態なので、自律神経失調症よりも1歩進んだ『うつ状態』に入っています。
自律神経失調症とうつとの違いについてはコチラで説明しています。→うつや自律神経失調症は、頭痛や腰痛など身体症状が始まりって知ってました?
なので、起立性調節障害とともに不眠の症状を訴える時は、『ちょっと症状が進んで行ってるな~・・・』と判断します。
次に起立性調節障害を悪化させない・改善させる為のポイントをお伝えしていきます。
また中学校に通えるようになる為に・・・起立性調節障害を改善させる3つの方法

起立性調節障害は、自律神経の乱れが原因で起こりますので、自律神経を乱す4つのストレスを見直す事が大切です。
自律神経を乱す4つのストレスは・・・
①人間関係や仕事など『精神的なストレス』
②ゆがみやコリ・痛みなど『体からのストレス』
③砂糖やカフェインなど『偏った食事のストレス』
④急激な温度の変化など『環境的なストレス』
に、なります。
詳しくはコチラで解説しています。→「うつ」や「自律神経失調症」の原因になる4種類のストレスとは?
上記にありますように、学校での対人関係などによる精神的なストレスが原因で、朝起きられない事もありますが、ここでは特に思い当たるストレスがないにも関わらず、起立性調節障害の症状が出ている事に対する対策・改善方法をお伝えしていきたいと思います。
①首の骨の歪みを調整する!


画像の赤丸の所に『延髄』と呼ばれる脳の一部があります。
延髄は、血圧・心拍・呼吸・嘔吐・クシャミ・平衡感覚などに関与しており、またこの延髄と1つ上の『橋』には、末梢(手や足先の事)の血管を収縮させ、血圧を上昇させる働きがあります。
首の骨が歪み、延髄や橋に圧迫が加わると、血圧の調整が上手く出来なくなり、起立性調節障害の症状が出て来ます。
また首の骨の中には、脳へと繋がる血管が通っています。

首の骨の歪みは、脳に流れる血液の流れを悪くしてしまう事もある為、起き上がった時により脳に血液が行かず、立ちくらみやめまいなどの症状が出る事もあります。
②自律神経を乱す食べ物を控える!
まず控えていただく食べ物は、
- 白砂糖
- カフェイン
- 小麦
の3つです。

これらは自律神経を大きく狂わせるワースト3ですので、なるべく控えるようにして下さい。
中学生のお子さんでコーヒーを飲む事は少ないと思いますが、紅茶・緑茶・コーラにもカフェインが含まれているので、要注意です。
朝はパン食からご飯食に変える・・・白砂糖から黒砂糖やキビ糖・オリゴ糖などに変えるなどにしてあげて下さい。
(白砂糖から他の砂糖に変えたからと言って、『バカバカ摂って良い』という訳ではありません。)
いきなり全部止めるとストレスがかかり、それはそれでまた体にとって『悪』ですので、止めれる範囲からで結構です、少しずつ控えていきましょう!
この3つに関しての解説はコチラ→食事から自律神経失調症を改善させる為に、絶対に食べてはいけない3つの食べ物とは?
また自分の体にとって合わないモノを摂ると、心拍数が上がってしまいます。
心拍数が上がると交感神経が働きます。
エネルギーが無い時に交感神経を働かせると、余計エネルギー不足を生み、自律神経失調症が悪化してしまいます。
自律神経失調症から来る動悸・脈の乱れに対すると原因と対処法を参考にして、自分に合わないモノを是非チェックして下さい!
③副交感神経をしっかりと働かせる!
起立性調節障害は、交感神経が働けない事で起こる症状ですが、交感神経が働けなくなっている背景には、副交感神経が働けなくなっている事によるエネルギー不足があります。
なので、まずは副交感神経をしっかりと働かせて、エネルギーを補充する事が大切です!
副交感神経を働かせる方法として、『涙を流す』事です。
感動できる映画や音楽を聞いて泣くと副交感神経が働きます。
また『あ~コレ、懐かしいな~・・・』って感じる時も副交感神経が働きます。
昔読んでたマンガやテレビなどを見るのもGOODです。
おそらくこの記事を読まれているのは、『朝起きられない』『起立性調節障害と診断された』中学生を持つ親御さんだと思います。
副交感神経を働かせるオキシトシンというホルモンがあるのですが、これは触れ合う事で分泌されます。
お子さんを抱きしめてあげて下さい・・・頭を撫でてあげて下さい・・・手を握ってあげて下さい・・・
あなたのお子さんは今、病気と闘っています。
お子さんのがんばりを認めてあげる一言をかけてあげて下さい。
触れ合う事で副交感神経が働きやすくなりますが、安心感もまた副交感神経を働かせます。
親に認めてもらえると、子どもはすごく安心します。
是非、やってあげて下さい。
【まとめ】起立性調節障害の為、朝起きられない中学生の子どもを持つ親御さんへ

当院にもこれまでたくさんの起立性調節障害の中学生が来られました。
起立性調節障害は、中学生の時に発症する事が多い為、ほぼ100%で親御さんと一緒に来院されます。
いつも見てて思うのは、朝起きられない為に中学校に行きたくても行けない子を持つ親も疲れた顔をされています。
時にはコチラから歪みのチェックとその歪みに対する体操をお伝えする程です。
当院では自律神経に対して専門的に勉強しております。

また『首』の施術は誰でも簡単に行えるものではありません。
首の施術は、身体だけでなく脳にまで影響を与えてしまう為、首に関して専門的な知識と技術が必要になります。

※この技術は、米国政府公認ドクターより認められた治療家しか扱うことができません。
当院が使用する首の施術「アトラスオーソゴナル」は、1回で首の歪みを調整し、全身のバランスを整えることができる創始者が60年以上にわたる臨床と教育と研究を経て生まれた画期的な施術法です。
この技術を伝承できるのは創始者から認められた米国政府公認ドクター(D.C.)である日本人唯一のインストラクターのみとなります。
当院はこの日本人で唯一のインストラクターから技術を継承しています。
また当院では、首の施術を行なう前に提携医療機関(芦屋®いいだ内科クリニック)にてレントゲン撮影をお願いしております。
というのも、
- 脳幹や脳に続く大事な血管が通っているデリケートな場所である事
- 生まれつき骨の形に異常があったり、加齢による変形や骨の癒合が多い場所である事
これらから、患者さんに100%安全で正確な施術を提供する為にカイロプラクティックにご理解のある医師に協力いただき、首の骨の状態を確認してから施術を行なうようにしています。
首の施術を的確に、安全に行う為にとことんこだわっていますので、ご安心下さい!


自律神経失調症から来る起立性調節障害でお悩みのお子さんは他にもいろいろな症状が出てると思います。是非コチラの記事も参考にして下さい。⇓⇓
うつ・自律神経失調症から来る起立性調節障害を何とかしたい!とお考えの方、まずはお気軽にご相談下さい。⇓⇓